ロボット支援下手術(良性および悪性疾患に対する子宮全摘術)とは
帝京大学溝口病院産婦人科では、内視鏡下手術(腹腔鏡、子宮鏡手術)に力を入れていますが、2014年に導入されたロボット支援手術機器(da Vinci
system)を用いての手術も積極的に行っております。
対象となります疾患は以下の通りです。
良性疾患:子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜増殖症
悪性疾患:子宮体癌
上記のいずれの疾患においても帝京溝口病院産婦人科では保険診療で定められた施設基準(設備や診療体制および術者の経験症例数など)を満たしていますので、保険診療で手術を受けていただくことが可能です。
手術時間は良性疾患が2〜3時間、子宮体癌ではリンパ節郭清を行うものでは4時間程度です。
ほとんどの症例が出血量100mL以下で手術が完了し、輸血を施行することは非常に稀です。
入院期間は手術前日に入院、手術3日後に退院していただく5日間入院となります。手術後の経過がよければ退院後1週間ほどでほぼ通常通りの生活が行えるようになります。
da Vinci system(現在は Xi sysetm を使用しています)を用いた手術では、まず以下のように腹部に小さな切開を5か所作成します。創の大きさはAが12mm、その他の4ヶ所(@〜C)は8mmの大きさです。
作成した切開部部に、図1の中央にある機械にあるロボットアームを接続します。
図1 da Vinci Surgical System
コンソール ロボットアーム システム機器
ロボットアームに 図Aの「エンドリスト」 を挿入し、術者は図1の左にある「コンソール」を操作して手術を行います。「ロボット手術」という名称ですが、実際に手術を行っているのは術者(=操作資格をもった医師)です。
術者は3D画像を見ながら、繊細な手術を施行することが可能です。
図2 エンドリスト (手首のように動く鉗子)
ロボット支援下子宮全摘術の実績(2022年)
良性疾患:子宮筋腫 18例、子宮内膜増殖症 2例
悪性疾患:子宮体癌 12例
合計 32例
ロボット支援下手術を希望されるときは
ロボット支援下子宮全摘術をご希望される方はまずは当院の産婦人科外来を受診してください。
診察、検査等を行い、ロボット支援下子宮全摘術が施行可能と判断されれば外来担当医が手術予約を行います。